臨床心理学研究室

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人の心にかかわる理論と実践について学びます。

ご挨拶

将来、医療人として働く上で、なぜ薬学部では「人の心にかかわる理論と実践」について学ぶのでしょうか。こう聞かれたとき、ひとりひとり答えはきっと違っていると思います。

自分を理解した上で患者さんのために働きたいから。

病気の時どのような心の変化が起きるのか知りたいから。

よりよい治療をするために仲間と協力する方法を知りたいから。

仕事が大変な時、うまくストレスに対処したいから。

愛する人をもっと深く理解したいから…などなど。

臨床心理学研究室では、人の心の健康にかかわるさまざまなことについて研究しています。特にコミュニティにおけるソーシャル・サポートのあり方や子ども・若者の育ちにとってやさしい環境とはどのようなものなのかについて、実践活動を行いながら、調査研究を行っています。

研究概要

臨床心理学やコミュニティ心理学の理論と実際について研究しています

子どもの心身発達にかかわる遊び環境の研究

幼児期の外遊び体験が子どもの心身発達に及ぼす影響について調べています。プレーパークという自分の責任で自由に遊べて、大人の見守り(プレーワーカー)が常駐している公園があります。そうした場でたくさん遊んだ体験を幼児期にしていると握力やジャンプ力が向上し、また実行機能という指示を適切に理解して行動する能力が身につくことが見出されました。

平成28年度からはヨーロッパの大規模研究The BREATHE Projectの枠組みを使用した外遊び環境への接近性が子どもの心身発達に与える影響に関する研究が始まります。Green(木々)とBlue(水辺)が豊かなきぬたま遊び村での実践研究です。外遊びが子どもに与える影響に関するエビデンスはまだまだ少ないので、貴重な知見になると思います。

心の健康度を向上させるためのプログラムの開発

人は困ったことがあったとき、何かに悩んだとき、すぐにだれかに助けを求められるわけではありません。「助けて」と言える力(援助希求力)は自分の周りに助けてくれる人がいることに気づいたときに大きく向上します。私たちは社会性と情動の学習理論によるSEL-8Sという学習プログラム(小泉、2011)に基づいて SEL-Shortという援助希求力向上プログラムを開発しました。学校で実施したところ、友達と意見交換をしたり、ロールプレイをした項目については特に理解が深まり、2か月後に確認しても忘れていませんでした。また、「助けて」と言えることと同じように大切なのは「どうしたの?よかったら話して」という友達に手を差し伸べることができる力です。こうしたソーシャル・サポートと言われるコミュニティ心理学の概念に基づくプログラム開発やその効果検証を行っています。

おくすり教室ワークショッププログラムの開発

H24年度からお薬の教育カリキュラムの学校教育での導入が始まりました。私たちの研究室では名城大学のプログラム研修に参加後、自分たちでも少しアレンジを加えてワークショップ型にしたおくすり教室&ミニ薬剤師体験プログラムを開発しました。毎年、各地の小学校で実施しています。

その際には学生が主体で行います。

コミュニティで支えあうためのさまざまな仕組みについての研究

まちには市民活動によって運営されている多様な人々を支える仕組みがあります。

たとえば、大きな災害にあったとき、人々は互いに支えあいながら復興の過程を歩みます。東日本大震災の被災地でもさまざまな新しい仕組みが作られ人々の支えあいを可能にしています。住民主体のまちづくり活動の先進地世田谷の太子堂地域では子育て世代を中心に子どもの視点からの防災や事前復興についての活動が続いています。人々がこうした活動でどのような行動変容や気持ちの持ち方の変化を感じているかを参与観察という方法で、一緒に活動しながら考察しています。

また、厚労省が全国で展開する認知症カフェについても調査を始めています。それぞれのまちの担い手によって多様な形で運営されています。お茶を飲みながら患者さんも家族もボランティアもリラックスして、認知症の理解や介護者のストレス軽減方法を学びあっています。

教員紹介

吉永 真理 教授 / 学位:博士(保健学)

  • 研究分野:臨床心理学、コミュニティ心理学、保健学、身体教育学
  • 担当科目:人と文化5 行動と心理(1年後期)
    生と死 (1年前期~4年後期)

臨床心理学やコミュニティ心理学にかかわる多様なテーマを研究しています。
特に子どもの育ちの環境に焦点を当てて、地域の方々と一緒に実践活動をしながら調査研究にかかわっています。
薬学生は勉強に実習にとても忙しい毎日ですが、将来仕事だけではなく、ひとりの市民として役割を担っていきいきと生きていけるように社会について広い視野を持ち、多様な価値観を理解できる人になってほしいな、と思っています。
時には、これって薬剤師になるのに必要なの?と言われてしまいそうなテーマについても伝えて、一緒に考えていきたいです!

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