創薬等支援技術基盤プラットフォーム制御拠点 -文部科学省-

本学が申請した「メカニズムを基盤としたデザインと先端的合成法による画期的な次世代医薬品候補化合物の創出」が、文部科学省による「創薬等支援技術プラットフォーム事業」の「制御」拠点合成領域の実施機関として採択されました。研究チームのメンバーは以下の通りです。

創薬等支援技術プラットフォーム事業

文部科学省が推進する先端プロジェクトに参加
創薬等支援技術基盤プラットフォーム事業

東京大学、京都大学、大阪大学、早稲田大学、慶應義塾大学などの国公私立大学や理化学研究所などの研究機関で構成される文部科学省の先端プロジェクトに、本学は「制御拠点 合成領域」として参加。画期的な次世代医薬品候補化合物の創出を研究課題に、創薬系の4つの研究室が協力して事業を推進します。

山本恵子教授(中央)を中心に、右から中根孝之准教授、田村修教授、毛利邦彦教授、伊藤俊将講師

化合物ライブラリーの構築と創薬の基盤研究へ

当事業は、我が国の高度な技術基盤を活用して創薬研究をはじめとするライフサイエンス研究者を支援し、先端的な研究の振興に貢献することをめざしています。全国規模で組織された解析・制御・情報の3つの拠点が密接に連携し、3拠点が1つの事業として組織されたことで初めて可能となるハイブリッドな研究をめざします。

本学が参加する「制御拠点 合成領域」は、各大学や研究機関から提供された化合物のライブラリーを構築し、多くのライフサイエンス研究者に提供すること、及びヒット化合物の構造を最適化する創薬基盤研究につなげることを目的としています。本学では、2012~2016年度の5カ年をかけ、医薬分子化学研究室を中心に薬化学研究室、天然物化学研究室、化学系薬学教育研究室が協力し、下記の3テーマに取り組みます。

  • SPU(昭和薬科大学)化合物ライブラリーの構築
  • ヒット化合物の最適化と新規合成法の開発
  • 医薬のデザインと高機能化

SPU(昭和薬科大学)化合物ライブラリー

メカニズムに基づいたドラックデザイン

全学的な研究・教育体制の向上に寄与

山本教授が率いる医薬分子化学研究室では、新しい皮膚がん治療薬となるビタミンD誘導体の創製を目標に、医薬の高機能化に取り組んでいきます。また、薬化学研究室はヒット化合物の最適化や新規合成法の開発、天然物化学研究室は天然由来の化合物の構造決定や高機能化、化学系薬学教育研究室はライブラリー拡充のための新規複素環化合物や合成中間体の提供等を推進します。

本学ではこのほか、武田科学振興財団の大型研究助成(特定研究助成)を受け、糖尿病や骨粗鬆症、心筋??塞など老年性疾患の克服をめざす「老年薬学プロジェクト」を展開しています。これらの研究プロジェクトを通して、本学は若手の次世代研究者の育成に努めるとともに、研究成果を大学院や学部教育に還元していきます。

2012年度の化合物ライブラリー実績

研究室 SPUライブラリーへの移管数 東大ライブラリーへの移管数
医薬分子化学研究室 83 61
薬化学研究室 13 5
天然物化学研究室 50 39
化学系薬学教育研究室 56 1
合計 202 106