昭和薬科大学の「教員と学生の距離が近い」という校風。
学内では、教員と学生が仲良く過ごしている様子をよく見かけます。
4年次から全員が所属することになる研究室のひとつ、
「薬物動態学研究室」のみなさんに、
昭和薬科大学ならではの特長について語ってもらいました。

4年
三浦さん

6年
鈴木さん

山崎先生

清水先生

4年
草間さん

6年
牧野さん

学びも流しそうめんも、全員で。

今年、うちの研究室に入った4年生は16人。その年によって人数も雰囲気も変わるけど、特に今年は活発な人が多いのはどうしてかな?

それは、流しそうめん効果です(キッパリ)。

毎年3年生向けに研究室紹介をするのですが、昨年は、研究室のみんなで流しそうめんをした時の写真をスクリーンに映してプレゼンテーションをしたところ、非常にウケたんです。

学内の竹を使って……勝手に切ったんじゃないですよ(笑)。事前に植物園の高野教授にお願いして分けていただいた竹を、みんなで割って節を落として使ったんです。

研究だけじゃなくイベントにも、全員で、全力で取り組む姿勢を伝えたかったんですけどね。

ちゃんと伝わってます(笑)。ここ最近はソフトボール大会で盛り上がりましたね。4年生に野球経験者が多いのと、山崎先生が筋金入りの野球好きなので。

七夕に笹を買ってきたり、お花見やひな祭りをしたり、季節ごとの行事も欠かせないね。

私の目の高さのところに、「美味しいお肉が食べたい」と書いた短冊を下げて、学生がアピールしてくるんです(笑)。

誕生日会でケーキを食べられるのも嬉しい!

誕生日会を開くにしても、先輩の都合を聞いて日程調整をしたり、どんなケーキを用意するか考えて手配したりすることが、社会性を育てることにつながります。研究室は小さな社会ですからね。

ほぼ毎年、研究室旅行もしています。製薬企業の研究所を訪問して、一般見学では見られないところを見学させてもらえるんです。

旅行では「みんなで」できるスポーツも必須。イベントの企画や準備は、幹事の技量が試されるところです。薬剤師として社会に出れば、医療現場でも研究所でもチームを組んで協働することになります。そこで重要なのは、状況を調整して協力しあうこと。ですから私の研究室では、チームの和を強く意識できるような活動をしています。昭和薬科大学では、教員と学生が一緒になってレクリエーションをしているのをよく見かけますよ。

でも、このままだと遊んでばかりみたいなので、研究の話もしましょうか(笑)。

「伝える」スキルを、身につける。

私たちの「薬物動態学研究室」では、物質が身体の中でどういう運命をたどるかということを調べています。薬の効き目には個人差があります。そこで、薬を分解するさまざまな酵素の働きに注目し、個々の患者さんの体質に合った薬を正しく使用するための、医療基盤となる研究を行っています。

僕は、薬科大学に入ったからには薬学特有の研究をしたいと思って、この研究室を希望しました。将来は製薬企業の研究職に就きたいと思っています。

僕も研究職志望です。昭和薬科大学にはしっかり研究できる環境が整っているので、やれることをやりきって、薬剤師免許をとって卒業したいです。

今年の4年生はちゃんと考えているなあ。

研究室を希望する学生とは全員面接をして、志望理由や、この研究室で何がしたいのかを聞きます。荒削りでもいいから、「これがやりたい!」という自発的な学びの意志を伝えてくれる学生を選んでいます。

研究室選びの時の面接、プレッシャーだったな。

僕は面接ではやりたいことを言えたけど、むしろ今の方が怖い(笑)。ふだんは楽しく話せる山崎先生ですけど、実験報告はいつも脂汗モノです。

「実験結果はどう?」「企業に報告するから説明してね」と声をかけたら、草間くんは凍りつくときがあるよね。

思うような実験結果が出なかった時は、緊張するのもしょうがないよ。6年生にもなると「伝える」技術が身についてくるから、発表や報告が上手になってくるけど、4年生ではできないのが当たりまえ。でも場数を踏まないと上達しないので、頑張ってほしいな。

6年生の2人はプレゼンテーションが上手になりましたね。学会で先輩が発表しているのを見たり、学生同士で自発的に発表内容を直し合っていたりしていたからですね。

みんなの前に立って発表する機会が多いので、鍛えられました。

就職面接でも役立っています!

教員が、学生の声に耳を傾けてくれる。

私が3年生の頃は、研究以外の学生生活も楽しみたいと思っていたので、最初はあまり忙しくない研究室を希望していました。でも、臨床検体を扱えることや研究内容に惹かれてこの研究室に入りました。

病院への就職を希望している牧野さんには、医療現場とつながりがある、ヒトの分析試料を担当する研究をしてもらっています。

どういう研究を分担するかは、本人の希望を聞きながら、研究室の研究内容とすり合わせて、できるだけ希望に近い分野を割り振りしているんです。

私はヒトの血中濃度を測る研究に携わりたかったんですが、希望者が多かったので、他の研究につくことになりました。

マーモセットという小型のサルを医薬品開発に使おうという、国のプロジェクトが数年前に新たに立ち上がり、鈴木さんはその時から研究に参加してくれているんです。

新しいテーマの実験に関わらせていただいているのは貴重な体験ですし、今では楽しみながらやれています。この研究室では研究するスタンスそのものを学ばせてもらったように思います。

私も、今となっては、研究に打ち込める環境に身をおけてよかったと思います。遊びでも勉強でも、メリハリをつけて指導してくださる先生方には感謝しています。

ふだんから仲良くしていただいているので、勉強や進路の相談も持ちかけやすいんです。

OB・OGを呼び寄せる?!
学内のバーベキュー・ガーデン。

6年生になると研究と並行して、就職や進学が目前に迫ってきます。2人は医療機関志望ですが、この春に博士課程を卒業して製薬企業の研究所に入ったOGもいます。先輩が研究している姿を目の当たりにし、もし研究職を目指すならどうしたらいいかを直接聞くこともできるんです。長く一緒に過ごしてきたから、聞きやすいことも多いんだと思います。

昭和薬科大学には学内にバーベキュー・ガーデンがあるので、研究室の卒業生を招いてバーベキュー・パーティーもしています。お肉を口実に、先輩たちを呼び出すんです(笑)。

卒業された先輩とも気軽に話ができるチャンスがあるのは、薬科大学でもきっと珍しいですよね。

社会に出ているOB・OGに勉強や進学について親身に相談にのってもらい、そこに私たち教員も一緒になって集えるというのが、昭和薬科大学ならではの「学生と教員、先輩との距離が近い」という大きな強みですね。

卒業したら、牧野さんや鈴木さんも、美味しいお肉を食べに戻ってきてね!