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研究室案内

創薬化学系 医薬分子化学研究室

スタッフ

教授
山本 恵子  薬学博士
准教授
伊藤 俊将  博士(薬学)
講師
佐藤 美鶴  博士(薬学)
特任助教
石田 寛明  博士(薬科学)

メッセージ

生命現象は連続的な化学反応の積み重ねとして理解することができます。私たちは、化学と生物学の手法を用いて生命現象を分子レベルのみならず原子レベルで解明することを目指しています。また、タンパク質の立体構造や低分子化合物とタンパク質の相互作用を理解したうえで、受容体や酵素を標的とする医薬の論理的創製を目指しています。これら化学と生物学にまたがる学際領域の研究を、有機化学・コンピューター化学(科学)・構造生物学・分子生物学の各手法を統合的に活用して行います。

研究テーマ

  1. 核内受容体のリガンド探索と機能解析
  2. メタボリックシンドローム治療薬の分子設計と合成
  3. プローブ分子を用いた遺伝子発現機構の構造生物学的研究
  4. エリスリナアルカロイドの不斉合成
  5. 薬用植物由来の生理活性物質の検索および合成

研究概要

核内受容体はリガンド依存的に標的遺伝子の転写制御を行う転写因子です。ヒトには48種存在し、発生、糖代謝、骨代謝、抗炎症作用、免疫制御などの重要な生命機能にかかわる種々の遺伝子発現制御を行っており、生活習慣病の発症や病態進行に深く関与していることが知られています。私達の研究室では、核内受容体の一員であるビタミンD受容体とパーオキシソーム増殖薬活性化受容体(PPAR)を分子標的とする医薬創製に取り組んでいます。

ビタミンDとビタミンD受容体

活性型ビタミンDはカルシウム代謝を調節するホルモンですが、それ以外に細胞の分化誘導・増殖抑制、免疫調節など多彩な生理作用を持つ化合物です。活性型ビタミンDは核内受容体の一員であるビタミンD受容体に結合し、標的遺伝子の転写を制御することにより作用を発現します。活性型ビタミンD及びそのアナログは、骨疾患、免疫疾患などの治療薬として臨床応用されていますが、それ以外にも癌、動脈硬化、糖尿病などの医薬としても期待され、世界中で活発に研究されています。私達は遺伝性疾患である2型くる病のテーラーメイド医薬やPaget病(変形性骨炎)に有効なアンタゴニストをビタミンD受容体のポケット構造に基づいて設計し、合成しています。また、それら合成化合物を用いて作用発現機構を構造生物学的に明らかにする基礎研究を行っています。

ビタミンDとビタミンD受容体

PPAR を標的とするメタボリックシンドローム治療薬の開発研究

欧米型化した食生活や運動上足に伴いメタボリックシンドロームが増加しています。代表的な生活習慣病である糖尿病の日本人の患者数は約740万人で、その90%以上が2型糖尿病であり、多くがインスリン抵抗性です。インスリン抵抗性改善薬として現在用いられているチアゾリジンジオン誘導体は、血糖降下作用は強力ですが、肥満・浮腫などの副作用を持つことが知られています。従って副作用の無い、全く異なった新規薬剤の開発が望まれています。チアゾリジンジオン誘導体は核内受容体であるPPAR?に結合し、標的遺伝子の転写を制御することにより血糖値を低下させます。私達はPPAR?のポケット構造に基づく新規リガンドの設計・合成を行い、PPAR?を活性化させる化合物としてDHA誘導体を見出しました。本化合物は糖尿病のモデルマウスの血糖値を有意に低下させました。現在、より強力な活性を持つ誘導体の設計と合成を行い、画期的なメタボリックシンドローム治療薬として供することを目的とし、研究を行っています。

PPAR を標的とするメタボリックシンドローム治療薬の開発研究
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