昭和薬科大学昭和薬科大学

教員メッセージ

MESSAGE FROM PROFESSORS

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薬学について

  • Q.昭和薬科大学の魅力は?

    薬剤師国家試験をクリアするためには激烈な努力が必要なのに、決して殺気立つことのない平穏な校風。学内にはいつも優しい笑い声が漂っています。こんな環境で6年間を過ごせば、一生の友ができるに違いありません。また、自分がやりたい研究を、教員をはじめとした周囲が支えてくれ、自発的に学ばせてくれる懐の深さもあります。もちろん国家試験の合格率も悪くないですし(まだまだ上を目指しますが)、社会で活躍する卒業生がたくさんいるのは伝統校ならではの強みです。

  • Q.昭和薬科大学には、
    どんな学生が多いんでしょう?

    昭薬生はスリー「O(おおらか・おおざっぱ・おとなしい)」とよく言われます。競争心が足りないとか、元気が足りないと勘違いされることもありますが、私は違うと思います。競争心は心の中で燃やすものだし、声の大きさだけが元気のバロメーターではありません。みんな自分から笑顔で挨拶してくれるし、実は負けず嫌いだし、いざというときには行動力もあります。ただ、「自分が!」という我を出さないだけです。

    実務実習先の薬剤師の先生方からは、穏やかな昭薬生のキャラクターを褒めていただくことが多いです。薬剤師は、病に苦しむ患者さんに寄り添う職業。知識や能力も大切ですが、一緒にいて安心できる人柄こそ重要です。昭和薬科大学のアットホームな雰囲気が、そんな医療人を育んでいるのだと思います。

先生ご自身について

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  • Q.小泉先生は昭和薬科大学OBなんですね。

    2000年に学部卒、2005年に博士課程を修了し、外部で1年間研究をしてから、2006年に教員として昭和薬科大学に戻ってきました。助手として迎え入れていただく際、教授からは「研究の推進力になってくれ」という言葉をいただきました。学生の見本となるような研究姿勢を示しながら、学生と教授を結ぶパイプ役でありたいと考えています。

  • Q.趣味や、研究の息抜きに
    していることはありますか?

    研究が大好きなので息抜きは必要ありません。むしろ、もっと研究したいのに1日が24時間しかないことにストレスを感じているくらいです(笑)。

    また、教育も非常に奥深いです。教員が学生に接することができる時間は、たった6年程度。この間に多くのことを学んでもらい、成長してもらうにはどうするべきかを考え、いつも頭を悩ませています。すると学生に「先生、そんなしかめっ面してると話しかけにくいです」と言われます。質問しやすい雰囲気さえ作っておけば、学生は自ら学んで成長してくれると気づかされました。教員が学生に教えるという一方通行ではなく、教員が学生から学ぶことも多くあるのです。私自身、まだまだ成長途中と感じます。教員なのに意外でしょ?

小泉 直也Koizumi Naoya

薬剤学研究室/講師

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薬学について

  • Q.薬学の面白さを、
    どんなところに感じていますか?

    漢方薬は、自然の草や木、鉱物、動物などに由来する生薬を組み合わせて処方します。風邪のひきはじめに効果的な「葛根湯」には7種類の生薬が配合されますが、約2000年前の書物にその配合が記されています。また、「八味地黄丸」に使われる生薬のひとつ「茯苓(ぶくりょう)」は、ふだんは地中にある菌核(キノコの仲間の菌糸が集まった塊)で、掘り起こさない限り私たちの目には触れないものです。いったい誰が探し出し、薬として使うようになったのでしょう。

    おそらく人類(あるいは生命)の発生とほぼ同時期に“くすり”というものが登場し、その知識が歴史の中で蓄積され、現在に至っているものと考えられます。しかし、一つ一つの生薬(くすり)についてみると、何がどのように作用して効果を発揮しているのか?すべて解明されているものはほとんどないといえるでしょう。科学が発展した今日でも、未解明の部分がまだまだ多いのです。

    薬には未知な領域が多いです。最先端の化学から薬学の歴史体系、西洋医学・東洋医学・伝承医学までいろいろな分野との関連性を探りながら、その本質を明らかにしていくことが、薬学を学ぶ面白さといえるのではないでしょうか。

  • Q.昭和薬科大学には、
    どんな学生が多いんでしょう?

    真面目で親切な学生が多いですね。植物園の一般公開時には、受付や運営を学生が手伝ってくれます。「学生の方から挨拶してくれた」「一緒に歩いて道案内をしてくれた」と、地域の方々からも評判が良いです。また、温室内にはニームという自然農薬を定期的に散布するのですが、そのやり方を上級生が下級生に丁寧に教えるなど、先輩・後輩の垣根を越えて協力し合う姿もよく見られます。

先生ご自身について

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  • Q.生薬の研究を始めたきっかけは?

    私は和漢薬の研究で有名な富山医科薬科大学の出身です。学生時代は山歩きをしながら薬用植物を調査するサークルに所属して、はじめての海外旅行もヒマラヤの薬物資源調査隊への参加でした。以来、ネパールを15回以上訪問し、アマゾンやインドの山奥の調査を重ねてきました。

  • Q.研究の息抜きに、
    学内の遊歩道をよく歩くそうですね。

    都内の大学と聞いていたのにまるで森のような環境に惚れて、着任を決めたぐらいです(笑)。西門からのコースや植物園のまわりを歩くのは気持ち良いですよ。学内には竹林もあって、切り出した竹を使って研究室のみんなで流しそうめんをしたこともあるんですよ。

高野 昭人Akihito Takano

薬用植物園資源研究室/教授

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薬学について

  • Q.薬学部で学ぶ心理学とは
    どのようなものですか?

    私が担当する講義は1年次の「人と文化」という教養科目シリーズの中の「人の行動と心理」という科目です。内容は医療にかかわる心理学に限定せずに、臨床、発達、コミュニティ、環境など心理学の概論的な部分から始めて、自己理解や他者理解、人の心に影響を及ぼす社会的な要因などにも触れています。また、終盤には、将来薬剤師として患者さんと接するときに必要となるファーマシューティカル・コミュニケーションのスキルなども紹介しています。

  • Q.心理学は具体的にどのように役立つのでしょう?

    2015年に改定された文部科学省の薬学教育モデル・コアカリキュラムでは、薬剤師の対人業務としての側面が強調されています。患者さんのために医療人として貢献するのに必要な「疾病が心理に及ぼす影響」や「服薬の心理」などの知識が重視されています。さらに、医師や看護師らとのチーム医療では、他者の意見を尊重しながら自身の専門性を発揮するためにコミュニケーションスキルも必要で、在学中には実習や社会に出たときに応用できるように基本的な知識やスキルまでは習得することが求められています。心理学はすぐに結果が出る学問ではありません。いつか役立つかもしれないと思いながら主体的に学ぶことが大切です。たとえば病院に勤める薬剤師なら、時に生死に関わるシリアスな状況に直面することもあります。そんな時に、患者さんやご家族に寄り添って安心を与えられる態度やことばが自然に出てくるために必要な分野だと言えるでしょう。また一方で、自分のスタイルを理解することで、厳しい医療現場で働く際のストレス対処もできるようになるかもしれません。

    他者に共感しながら、自分らしい仕事や暮らしをしていくために大切な考え方やコツについて学ぶこと。それが、薬学生が学ぶ心理学のテーマかもしれません。

  • Q.昭和薬科大学は、
    なぜ「教員と学生の仲が良い」のでしょう?

    バーベキューやお花見など、教員と学生が一緒に盛り上がっているのをよく見かけます。アドバイザー制度や研究室など少人数で一緒に活動することが多いので、仲良くなりやすいのでしょうね。私たちの研究室でも今度カレーパーティを開く予定です。

    私は臨床心理士として「ここほっとルーム」で学生相談にものっています。悩みがある学生が気軽に来られるようにオープンに迎え、親身に話を聞くことを心がけています。

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  • Q.趣味や、研究の息抜きにしていることはありますか?

    ウォーキング、目指せ毎日1万歩。くいしんぼうなので、料理やおいしいものを食べに行くのが好きです。また、時間ができたら旅をしたり映画を観たり、ヨガもちゃんと習ってみたいです。環境を変えたり運動をしたりすることは、心をスッキリさせるためにも大切だと思います。

吉永 真理Mari Yoshinaga

心理学研究室/教授

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薬学について

  • Q.薬学の面白さを、
    どんなところに感じていますか?

    私は昭和薬科大学の卒業生です。学部および大学院修士課程では、薬化学研究室に所属して有機化学の研究をしていましたが、大学院修了後は薬剤師として病院に就職しました。実務実習も経験せずに研究一筋できていたので、周囲からは変わり者と驚かれました。なぜ病院薬剤師の道を選択したのでしょうか? 「基礎研究によって多大な時間と労力を重ねて創られた医薬品が、どのように患者さんに投与されているのか?」、そして「薬学で学んだ知識を、臨床現場ではどのように生かせるのか」を知りたかったからかもしれませんね。

    薬学は、理系のなかでもさまざまな領域にまたがる総合的(応用的)な学問であり、医学、看護学と同様に臨床、つまり患者さんのケアに直結しています。薬学の面白さは、ヒトの生命現象である生と死に直接関わることを学修(学習)することですが、それだけに大変な責任を伴うこともあります。私の講義では、自分自身が病院薬剤師時代に現場で経験した数々のエピソードを交えたことを話し、実際の写真も示すので、ハードな臨床の現実を直視できずに泣いてしまう学生もいます。しかし臨床のさまざまな問題は現場で起こります。その実態は教科書には書かれていないことばかりです。学生には、臨床現場の実態を知っておいてもらいたいので、臨床現場直結・ノンフィクションな授業・実習を意識しています。

  • Q.優れた薬剤師になるには、
    どうしたら良いでしょうか?

    優れた薬剤師とは、何よりも患者さんのことを第一に考えられる人。人間って、自分には甘いものです。でもその甘さを捨てないかぎり、真の臨床家としての薬剤師にはなれません。患者さんに慕われ、社会から求められる薬剤師になれるかどうかは、自分ではなく他者が評価することです。

    近年、チーム医療や地域医療における薬剤師の立ち位置が大きく変わり、薬剤師に対する期待がますます高まっています。入学したら常に考えてもらいたいことは、「何のために薬学を志したのか?」「どのような薬剤師になりたいのか?」です。生半可な志では続かない職業であることを認識してください。

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  • Q.研究室の懇談会が活発で楽しそうですね。

    私自身の研究室では、みんなで餃子をワイワイ作ったりします。その数、400個(笑)。他にも、自慢の手料理やお菓子を持ち寄ったり、釣った魚を持ってきてくれたり、学生が積極的に盛り上げてくれるので、毎回とても楽しい会になります。新4年生が研究室に入ってきた時には、私がホストとして振る舞い、場を盛り上げます。その姿を見て自然と、これからは自分たちが積極的に動こう!と思うようになってくれます。毎年そのような学生が集まってきてくれるので、先輩・後輩やOB・OGの垣根なく集いやすく、そしていつしか私はただ参加者として楽しませてもらっています。でも、若いモンには負けちゃいられません。さらなるムードメーカーになるべく、率先して実践します(笑)。

  • Q.昭和薬科大学を卒業してからの人間関係や、
    卒業生との交流はどんな感じですか?

    学生時代の恩師には、公私ともにお世話になりました。同級生や部活の仲間とは、社会に出てからはお互いに仕事や家庭で忙しくなり、年賀状の交換程度の付き合いになっていましたが、卒業後20年目を迎えた昨年、昭薬アラムナイ(昭和薬科大学卒業生の会)主催のホームカミングデーで再会することができました。子育て中の同級生が多いので、また数年経ったらじっくり会おう!と盛り上がりました。

    みなさんも昭和薬科大学に入学したら、同級生、先輩・後輩、先生、その他にも多くの人との付き合いを通じ、自分の得手不得手を見つめ直したうえで、いろいろな新しいことにどんどんチャレンジしてください。そして、行ってきたことを振り返ってみて、また新たなチャレンジをしていってください。このサイクルは、将来みなさんが目指す臨床家・薬剤師にとても大切なことですから。

渡部 一宏Kazuhiro Watanabe

実践薬学部門/准教授

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薬学について

  • Q.薬学の面白さを、
    どんなところに感じていますか?

    病気の治療や診断には、その発症や進行のメカニズムを明らかにすることが重要です。体の中でどんなことが起こっているのか(特に脳の仕組み)を知りたいと思い、この分野に携わるようになりました。複雑な生命現象に向き合うのは面白く、知的探究心が刺激されます。今は生体イメージング(画像診断)の技術を使って、病気の原因となる分子の動きを明らかにする研究開発をしています。

  • Q.昭和薬科大学の魅力は?

    大学教員というよりは高校の先生のように、熱い志をもって親身に指導する教員が多いです。学生同士も先輩・後輩の垣根を越えて仲が良く、アットホームな校風です。特に私は総合大学出身なので、国家試験合格に向けて教員と学生が一丸となって取り組む熱気を、とても新鮮にまぶしく感じています。

先生ご自身について

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  • Q.学生に接する時に
    意識していることはありますか?

    私は研究指導で学生に接することが多いのですが、学生には研究活動を通して自発的な動きを身につけられるようになってほしいと思っています。特に問題に直面した時には、まず自分で調べて、自分で考え、自分で解決する行動力が必要となります。これは研究に限らず、将来、どのような進路に進むとしても必要な力ですよね。ですから、やる気を引き出すような働きかけをしようと日々努めています。学生が萎縮すると困るので、大阪出身ですが関西弁で説教するのは封印しています(笑)。

  • Q.研究の息抜きにしていることや、
    趣味はありますか?

    意外と言われますが、アウトドアが好きです。休日には山や海に出かけることが多く、時々バーベキューなどを楽しんでリフレッシュしています。

宿里 充穂Miho Shukuri

薬品物理学研究室/助教

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薬学について

  • Q.薬学の面白さを、
    どんなところに感じていますか?

    生命はさまざまな生命現象、たとえば「糖を分解してエネルギーを作る」、「タンパク質を作る」、「不要なタンパク質を分解する」などのプロセスが複雑に絡み合って、調和されることで成り立っています。生命現象の根源的な理解は、化学の視点無しでは不可能です。私は薬などの化学物質を用いて生命現象をコントロールするという点に興味があり、薬学、特に有機化学の分野に足を踏み入れました。

    薬の開発研究では分子に炭素をひとつ加えただけで、分子の形(構造)がまるで違うものに変わってしまったためにまったく効かなくなることがあります。つまり分子の形(構造)は、分子の機能(薬の作用)をコントロールすることができるのです。分子の新しい「形」を生み出すことで、創薬につなげていく研究をしています。

  • Q.昭和薬科大学の魅力は?

    クラブ活動が活発で、薬科大学にしてはかなりの割合で学生がクラブに参加し、気の合う同士でエネルギーを発散しています。OB・OGとの交流も深く、たまに研究室にも顔を見せに来てくれます。病院や薬局で活躍する卒業生が多いので、さまざまな医療機関とのつながりがあるのも、伝統校ならではの強みですね。え、棚の上のバットとグローブは何?ですか? 年に一回、隣の研究室との親睦を深めるためにソフトボールの対抗試合をしているんです(笑)。レクリエーションやバーベキューなどで、教員と学生が一緒にワイワイしている様子をよく見られるのも、本学の特長だと思います。

先生ご自身について

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  • Q.学生と接する時に
    意識していることはありますか?

    講義は「どうして?」とか「なぜ?」と考えてもらえるように、意識して組み立てています。その上で有機化学が面白いと思ってもらえるように、研究の一端を紹介して好奇心を刺激します。研究を指導するうえでは、科学の考え方の流れをひと通り身につけられるように配慮しています。また、ディスカッションで学生のポテンシャルを引き出し、それぞれが目的・目標をもって学び、達成感を持てる機会を多く作るように努めています。

  • Q.研究の息抜きにしていることや、
    趣味はありますか?

    家では2人の息子(2歳と0歳)の相手で手いっぱいです。やんちゃですが癒され、こちらが学ぶことも多い毎日です。

山﨑 龍Ryu Yamasaki

薬品化学研究室/准教授