医薬品卸 加藤 幸野花

医薬品卸は、製薬企業と医療機関をつなぎ、患者さんの治療に必要な薬を正確･迅速に供給することを使命としています。取扱品目は、医療用医薬品、一般用医薬品、医療機器、健康食品など実に多彩で、各事業所に管理薬剤師を配置することが義務づけられています。

では、管理薬剤師はどのような役割を担っているのでしょうか。まず、物流部門と連携し、厳重な保管と温度管理が求められる医薬品の品質管理に大きな責任を果たしています。とくに、医療用麻薬や毒薬のように特別な注意を要する製品は全て薬剤師が管理します。

さらに、事業所が薬事関連法規を遵守した運営を行っているかどうか常に確認すると同時に、新薬や病態に関する勉強会の指導、取引先からの問合せ対応も重要な業務の一つです。

この仕事に興味をもったのは、5年次の実務実習で医療品卸の企業見学をしたことがきっかけでした。薬剤師が事業所で取り扱う膨大な数の医薬品の管理を任され、意欲をもって働いている姿に魅力を感じたからです。病院･薬局からの問合せに的確に答え、患者さんの薬物治療に関わりをもてることにやりがいを感じています。

大学時代の研究室のメンバーとは今でも集まりをもち、楽しい時間を過ごしています。薬剤師の仕事は、病院･薬局で働くこと以外にも選択肢が多いので、大学で学びながら、自分がやりがいを感じる仕事をじっくり見つけてほしいと思います。