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02.28(WED)2024

原著論文発表

【実践薬学部門】抗がん薬の悪心・嘔吐に対するNK1拮抗薬ホスネツピタントがホスアプレピタント及びアプレピタントと比較して有効であることを臨床研究にて発見(Biol Pharm Bull誌にFeatured articleとして掲載)

 北里大学病院薬剤部と本学の実践薬学部門、社会薬学研究室で取り組んだ研究「Comparing the Efficacy of Fosnetupitant, an NK1 Receptor Antagonist in CDDP-Based Regimens, with That of Fosaprepitant and Aprepitant: A Retrospective Observational Study」が、日本薬学会学術雑誌Biological and Pharmaceutical BulletinにFeatured articleとしてオンライン掲載されました(2024/2/28)。

 

 抗がん薬の代表的な副作用である悪心・嘔吐は患者のQOLを著しく低下させるため、制吐薬により予防することが重要です。しかし、抗がん薬投与後2日目以降(遅発期)に生じる悪心・嘔吐の予防については、十分な制吐効果が得られておりません。その予防薬であるNK1拮抗薬には、従来から使用されてきたホスアプレピタント、アプレピタントに加え、2022年に承認されたホスネツピタントの3剤があります。しかし、それらのNK1拮抗薬の効果を比較検討するレトロスペクティブスタディが不足しておりました。

 

 今回、実践薬学部門の森元能仁講師、渡部一宏教授らと社会薬学の庄野あい子准教授は、北里大学病院薬剤部 稲野寛氏、尾鳥勝也教授らとの共同研究により、ホスネツピタントがホスアプレピタント及びアプレピタントに比して悪心・嘔吐抑制効果が高かったことを明らかとしました。ホスネツピタントは、投与後の体内血中濃度が他の2剤と比較して長く維持されることがわかっており、より長期にわたり制吐効果が得られていることが判りました。今回の研究結果は、制吐薬を選択する際の有用な情報として、臨床現場で広く活用されることが期待されます。

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