08.14(FRI)2020

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令和2年度前期定期試験の実施について(2)

【2020年8月14日 14:00 現在】

 

 

学生、保護者の皆様へ

 
 
 
令和2年度前期定期試験の実施について(2)

 

新型コロナウイルス感染者数が連日報道され、また、過日ホームページでのご報告通り、本学でも学生一人の感染が確認されました。学生・保護者の皆様におかれましては不安な日々を送られているとお察し致します。本学では、皆様方のご意見を踏まえ、皆様方それぞれの状況を配慮した上で、8月19日から対面での前期定期試験を実施いたします。実施にあたり、本学の考えとお願いを再度お伝え致しますので、ご理解のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

 

新年度スタート時、新型コロナウイルスによって、「大学に登校して授業をうける」という当たり前の日々が奪われてしまいました。5月下旬、ようやく緊急事態宣言が解除され、社会活動、経済活動も様々な感染防止対策を行いながら、慎重に再開されています。その中で、本学では、大学本来のあり方である、対面での教育再開を慎重に検討し、7月に入って対面での教育を一部スタートさせております。また、8月19日からの対面での前期定期試験実施も可能であると判断致しました。そして、後期授業は、オンラインと対面を併用したスタイルでの実施を予定しております。

 

本学の理念は「薬を通して人類に貢献」です。薬の専門家として社会で活躍できる薬剤師を育てることが使命です。そのような人材を世に送り出すに当たり、学修成果・学修の到達度を正確かつ公平に評価していく責任が、皆様方に対して、そして社会に対してあります。こうした考えのもと、学内での前期定期試験実施が極めて重要であると判断し、その実施を決定致しました。

 

今回の決定にあたり7月28日付の「令和2年度前期定期試験の実施について」でお伝えした通り、様々な感染防止対策を講じ、安心して試験を受けられる体制を整えていますが、新型コロナウイルスにはまだ分からないところが沢山あるために、皆様が大学で試験を受けることに対して不安をおもちになることもよく理解しております。そこで、新型コロナウイルス感染症に起因する様々な事由により定期試験を欠席した場合、試験欠席届(追試験受験資格申請書)の提出があれば、追試験受験を認めることにしました。具体的な手続きは、別途、HPに掲載予定ですので、そちらをご参照ください。

 

このような考え、感染予防体制およびご不安への配慮の上、対面での前期試験を実施しますが、もし、今後、感染爆発が起き、生命の危機回避が最優先される状況になれば、臨機応変な判断や対応を行い、安全を確保します。

 

さて、感染症と人類の歴史を考えると、人類が地球上から撲滅できた唯一の感染症は天然痘です。数多の感染症がある中、たった1つの感染症しか人類は撲滅できていません。天然痘を撲滅できた理由には、以下の3つの性質全てを有していたことが挙げられます。

(1)天然痘ウイルスに感染すると皮疹をはじめとした明確な症状が出るため、知らないうちに感染して他人にうつすようなことがない。

(2)天然痘ウイルスはヒト以外に感染しない。インフルエンザウイルスのように鳥や豚にも感染できるウイルスだと、ヒトの集団から一掃してもまた動物から感染してしまうが、天然痘はそういうことがない。

(3)天然痘には有効性の高いワクチンがある。

 

しかし、新型コロナウイルスはこれら性質を有していません。今後、ワクチンが開発される可能性はありますが、(1)(2)はウイルスそのものの性質ですので、変えることができません。

 

では我々人類は、新型コロナウイルスの前に無力なのでしょうか?

 

季節性インフルエンザウイルスを撲滅できない中、我々は様々な対策を行い、インフルエンザを抑え込み、社会活動、経済活動を行っています。地球上から新型コロナウイルスを「完全に撲滅」はできないかもしれませんが、現在、我々は新型コロナウイルスに関する様々な知見を有しています。それらを武器にして、様々な対策を施すことによって、制限はあるものの社会活動・教育活動を行うことが可能な状況であると考えます。

 

新型コロナウイルスを撲滅できない現状で、我々が取らなければならない行動があります。それは、手指消毒、3密の回避、咳エチケット(校内ではマスク着用)です。これらを遵守してください。

 

学生・保護者の皆様、積極的な理解と協力、行動で、引き続き、各自が感染防止に十分留意し、「感染しない・感染させない」行動を徹底するようお願い致します。

 

令和2年8月14日
 
昭和薬科大学 学長
山本 恵子

 

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