03.26(THU)2020

ニュース

<学長メッセージ> 昭和薬科大学の学部生/大学院生へ 新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けて(3/26配信)

昭和薬科大学の学部生/大学院生の皆さんへ  学長メッセージ

 

 現在、世界において、そして日本国内において新型コロナウイルスによる感染症が急速に拡大しつつあることは皆さんご承知のことと思います。

 

 この病気の恐ろしいところは、感染しても8割の人は症状が軽く、仕事や学業など通常の生活ができることから、気づかぬうちに他人を感染させることです。一方で、2割の人は確実に入院が必要となり、さらに5%の人は集中治療が必要になり、悪化する場合のスピードも非常に早いとされています。つまり、症状が軽く、比較的体力があり行動範囲の広い若い人が、気付かぬうちにウイルスを媒介し、次々と感染者を増やし、弱い方から重症化を招き、命を奪う危険があるということです。

 

 皆さんはイギリスの39歳の感染した女性が、病院の集中治療室でさまざまな医療機器に繋がれ、苦しみながら発信した動画を見たでしょうか。「もし誰かリスクを冒そうと思っている人がいたら私を見て。私は集中治療室にいて、これ(酸素の吸入管)がないと呼吸もできない」と訴えていました。比較的若い世代でも、命にかかわる状態になるのだということの証しです。そして、誰にとっても簡単な病気ではないということを勇気をもって、そして命を懸けて示してくれました。

 

 小池百合子東京都知事は昨晩、今が感染爆発の重大局面であるとし、この週末はやむを得ない事情がない限り自宅で待機するように強く要請しました。そしてその後においても、当面の間は、特に「密閉」「密集」「密接」(3密)を避けることが大変重要であるとして、行動に注意するよう要請しました。さらにこれに呼応する形で、神奈川県、埼玉県、千葉県、山梨県など各地の知事も同様の要請をしています。

 

 具体的には (1)屋内外問わず、イベントへの参加を控えること (2)平日・休日・昼間・夜間を問わず、できるだけ自宅で待機し、不要不急の外出を控えること、を求めています。

 

 こうした要請に法的な根拠や罰則などはありませんが、医療者を目指す方、薬剤師を目指す方として、この状況、この意味をしっかり考えて行動してください。そして、期せずして得た貴重な時間を復習や新学年の準備にあてたり、体調を整えるなどのために使い、有意義に過ごしてください。

 

 自分だけは大丈夫、そんなことは決してありません。皆さん自身の健康はもちろんのこと、大切な家族、友人、恋人、地域の人、子供たち、お年寄り・・・皆の健康を守るために、医療系大学生、薬学生として自覚を持った行動を強く求めたいと思います。

                    

                      

                    

令和2年3月26日
昭和薬科大学 学長 山本恵子

                   

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