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2017年

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12.30(SAT)2017

2017年の3冊

毎年この時期になると、各新聞社の書評欄には、書評担当執筆者が選んだ今年の3冊が短評と共に掲載されます。例年この時だけは各紙の書評欄をチェックして、これは面白そうだなぁという本を、年末年始のお供に買ってきたりしています。で、唐突ですが、私の2017年の3冊を選んでみました。皆さんにも読んでもらいたいな、という思いも込めて。


・「子どものための精神医学」 著:滝川一廣 医学書院

将来、あなた方も何らかの形で子どもたちに出会うことになると思うのですが、その時の心構えとして大切なことが沢山書かれています。


・「リスクと生きる死者と生きる」 著:石戸諭 亜紀書房

2011年3月11日、あなた方は何をしていましたか?あれからもう6年経ちました。私たちがあまり知らされてなかった、震災に大きく揺さぶられた方々の6年間の思い、言葉がここにあります。


・「ぼくたちはこの国をこんなふうに愛することに決めた」 著:高橋源一郎 集英社新書

皆さんは、この社会についてあまり疑問を持ったことがないかもしれません。それも素直といえば素直なんですが、この本に出てくる子どもたちも、とても素直です。この社会が全てでは決してない、そんなはずないよね、ということを知ってもらいたいです。
 

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12.30(SAT)2017

もう一冊

もう一冊。これは、あなた方が薬物治療学を学ぶ上で知っておいてもらったほうが良い、という極めて現実的な意味でお薦めする本です。


・こわいもの知らずの病理学講義 著:仲野徹 晶文社

学生さんから、「大事のところはどこですか?」、とよく質問されるのですが、これはこの著者が講義している大阪大学医学部でも同じらしい。。。あなた方たちが将来出会う患者さんが、少しでも安心できたり、希望を持てたりできるよう、そのためにあなた方は薬剤師になるのです。もちろん、自分の生業としても薬剤師の資格は大事でしょう。でも、その仕事が自分の為でもあり、他の誰かの為でもあったら、こんな幸せなことはない、と思います。そのためにも、この本に書かれていることは理解しておいて欲しい。
 

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12.22(FRI)2017

中井久夫さんの言葉

 今から30年前、駆け出しの研修医の頃の話。その時は、30半ばの男性の主治医をしていた。検査の結果、その男性は急性リンパ性白血病と判明。当時、本人にこの病名を告知するのは難しい時代で、まず奥様に病状と今後の治療方針を伝えることになった。「ご主人は白血病です。」と伝えたかと思うや、奥様の目からハラハラと涙がこぼれ落ちた。あっ、と思った。まさか、奥様がこんな反応をされるとは想像だにしていなかったのだ。

 その後のことだ、「精神科治療の覚書」(体の科学選書)で中井久夫さんのことを知ったのは。この書から、医者が患者さんやその家族に相対するする時の心構えと、具体的にどういう言葉をかけるのが良いのか等、大切なことをたくさん学んだと思う。

 あなたたちは、医師になるわけでもないし、看護師になるわけでもない。それでも、以下の中井久夫さんの言葉には耳を傾けてほしい。

 

「効きますように、副作用が出ませんように」と心の中でつぶやきながら処方箋を渡す時には何かが受け手に伝わり、ひいては薬の効き目にも影響するのではないかと私は本気で思っている。薬は、その作用に心身が「賛成」するかどうかで効力がちがってくることが少なくないと私は信じている。−「時のしずく」みすず書房−

 

チームワークの条件は、①自分の専門の実践能力があること、②協力者の専門のことばがわかり連絡と討論ができること、の二つである。−「看護のための精神医学」医学書院−

 

そもそも看護は医学に比してきわめて安定した基礎の上に立つものである。医学が真に治療できる疾患は今日もなお多いとはいえない。しかし、過去も現在も、いかに重病者、垂死の人といえども、原理的に看護しえない病者はいない。−「分裂病と人類」東京大学出版会−

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12.21(THU)2017

シャンシャン

シャンシャンの今を知りたい方は、下からどうぞ。

http://www.ueno-panda-live.jp

 

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12.16(SAT)2017

CRISPR/Cas system

このシステムの発展は、まだまだ続く。

・RNA編集への応用

http://science.sciencemag.org/content/358/6366/1019.long

 

・in vivoで標的分子の発現を亢進させる方法への応用

http://www.cell.com/cell/fulltext/S0092-8674(17)31247-3  

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