お知らせ・トピックス

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08.18(FRI)2023

本研究室で行ったPPARリガンドのPPAR活性化能とPPAR複合体構造をまとめた総説を発表しました(Biomolecules誌に掲載)

本研究室における転写因子型核内受容体PPAR(peroxisome proliferator-activated receptor)リガンドのNASHに対する治験情報とそのPPAR活性化能・複合体構造をまとめた総説「Current Clinical Trial Status and Future Prospects of PPAR-Targeted Drugs for Treating Nonalcoholic Fatty Liver Disease」が、MDPIの学術雑誌Biomoleculesにオンライン掲載されました。(2023年8月18日)

 

脂質代謝・糖代謝など代謝全般を統括的に制御する転写因子型核内受容体PPAR(peroxisome proliferator-activated receptor)には、α/δ/γの3サブタイプがあり、PPARαアゴニストであるフィブラート系薬は脂質異常症治療薬、そしてPPARγアゴニストのチアゾリジンジオン系薬は糖尿病治療薬として臨床で使用されています。我々が研究を始めた当時、フィブラート系薬とPPARαとの結合様式は明らかになっておらず、様々な結晶化方法で複合体結晶を作成し、X線結晶構造解析により、フィブラート系薬や内在性脂肪酸との複合体構造を明らかにしました。また、PPARα/δ/γの2つないし3つに作用するPPAR dual/panアゴニストがNASH(nonalcoholic steatohepatitis:非アルコール性脂肪肝炎)治療薬として期待されており、治験中あるいは臨床試験で開発中止となった薬剤についてはPPARγとLanifibranorの複合体構造以外は報告がなく、我々が明らかにしてきました。現在までにタンパク質構造のデータベースであるProtein Data Bankに登録した構造数はPPARαで41個と、約65%を我々のデータが占めている他、PPARδでは4個、PPARγでは6個と、PPARとリガンドの結合様式の理解に貢献してきました。

 

この総説ではPPARリガンドのNASH/NAFLD(nonalcoholic fatty liver disease:非アルコール性脂肪性肝疾患)に対する治験の状況をまとめながら、それぞれのリガンドのPPAR活性化能と複合体構造の特徴についてまとめました。Lanifibranorは最初に認可されるNASH治療薬として期待される他、既存のフィブラート系薬のNASH治療薬としての可能性についても考察しています。これらの実験データを元により効果的なNASH治療薬が開発されることを期待します。

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