微生物との共生last update : 2016.06.27

微生物叢と宿主免疫との相互作用を解明する

 

微生物は様々な病気の原因になる一方で、医薬品の製造や食材の発酵等、ヒトの生活に利益を与える共生関係にもあります。ヒトと微生物との共生関係が最も盛んなところは、どこだとおもいますか?それは私たちの体の一部「腸」なのです。

 

微生物のうち腸内にいる細菌群は腸内細菌叢と呼ばれています。この腸内細菌叢はヒトによって菌の量も構成も異なっており、こういった腸内細菌叢の変化は、食文化や衛生環境に影響を受ける事が知られています。例えば、海苔を食べる和食文化をもつ日本人の腸内細菌叢にのみ、アマノリ属の紅藻に含まれるポルフィランという多糖類を分解する酵素の遺伝子が見出されることが報告されています。

 


さらに、腸内細菌叢の刺激は私たちの免疫の発達にも重要であることがわかってきました。若齢期の腸内細菌叢を乱したマウスはアレルギーになりやすく、ある種の菌は過剰な免疫を抑制するリンパ球を増加させます。これは過去に提唱された「衛生仮説」を支持する結果でした。また、免疫の発達に影響を与える刺激は腸内細菌叢の物理的な刺激や代謝物を介した化学的な刺激であることもわかってきました。

 

私たちの研究室では腸内細菌叢を含む微生物との共生や制御について、様々な実験方法を用いて、多角的に解析しています。そして、腸内細菌叢を理解し、評価方法の構築や制御方法を確立することで、アレルギーや疾病等の予防・改善、さらには創薬等も含めて研究成果を社会に還元し、人類の健康の維持・促進に貢献することを目標としています。

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