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ニトロンの反応化学


1.立体選択的な分子構築法の開発とその生理活性物質合成への応用

β-ラクタム抗生物質,アルカロイド,アミノ酸などを例に挙げるまでもなく医薬品を含めた多くの生理活性物質はその分子内に窒素原子を有し,その大多数は光学活性体である.従って,含窒素骨格の立体選択的な構築法の開発は,薬学における重要な課題である.我々は,この課題を解決する方法論としてニトロンの化学を中心に置き研究を進め,3つの方法論を開発した.

 C-アルコキシカルボニルニトロン1とアリルアルコール類との連続的なエステル交換,分子内環化付加反応 C-アルコキシカルボニルニトロン1は溶液中,室温においても (Z)-1と (E)-1の平衡混合物であるため,立体選択的な合成への利用は難しかった.我々は,ニトロン1とアリルアルコール類2との連続的なエステル交換,ニトロンの (E),(Z)-異性化,(Z)-型からの分子内環化付加反応が進行し付加体3を与えることを見い出した(Scheme 1).

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 環で(E)-型に固定したニトロン4 を用いる環化付加反応 ニトロン (E)-1を環で固定し,光学活性体とした環状ニトロン4を設計,合成し,環化付加反応の反応性と立体選択性を検討した.その結果,ニトロン4の反応活性は高く,立体障害の少ない面からオレフィンがexo付加した生成物5が主成績体となることを明らかにした(Scheme 2).

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 糖類から多酸素官能基化されたニトロンへの変換法 糖類の環内酸素原子を窒素原子に置き換えたアザ糖類は多彩な生理活性を有する化合物群である.我々は,糖類から多酸素官能基化されたニトロンへの変換方法を開発した (Scheme 3, 6 → 7 → 8).

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 以上3つの方法を用いて,funeburine (9), monatin (10),lycoperdic acid (11),codonopsinine (12),hyacinthacine A1 (13) 及びA2 (14),casuarine (15) などの合成に成功している(Figure 1).

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